ENVE SES 4.5 ストレートスポークモデルの実走編

ENVE SES 4.5 ストレートスポークモデルの実走編


2024年 06月 29日

ロードバイクのホイールセットを買い替えてみました。同じENVE SES 4.5ですが、ハブがストレートスポークになっています。このホイールをポガチャルは昨年にツールから実戦投入しており、今年のジロで総合優勝しています。満を持して2024年から発売されたこの新型、ハブが違うだけで、ほぼ同じ性能だと予想できるホイールに約50万円費やす価値はあるのでしょうか?

こちらの動画はダイアテックさんから届いて開封、タイヤを取り付けする所までを収録したドキュメンタリーになっています。この動画を撮影した直後に注文していたTLR用のシリンジが届いたのですが、900円以下で買えるとは思えないほど良くできていて、今後のTLRライフが捗りそうです。TLRの運用を楽にするのは、電動式のポンプなど省力化がポイントだと思います。あとは汚れてもいい床でしょうか。

これは翌日ですが、リアだけすこーしだけエア落ちが早く、TL化失敗。フロントは完璧にエアを保持していただけあって、こういう不確実性、再現性の無さがTLの普及を妨げている面はあると思います。ある程度の広い心が求めらるのがTLRです。

YouTubeのコメント欄で以前頂いたアドバイスとして、ビードを上げてからバルブステム経由でシーラントを注入すると汚れないし、シーラントが無駄にならないというのがあり、確かにそうだと思ってMTB乗りがやりがちな片側のビードを入れた状態でボトルから直にジャブジャブ注ぐスタイルを止めたのですが、意外とこの方式は正しかったのかもしれません。

というのは、この後輪は一旦ビードを落としてから追いシーラントすると今は気密性を確保しているのですが、よーくリムサイド見ると微細にシーラントが染み出している部分があり、明らかにシーラントが良く回っています。確実にビードを上げるならシーラントを入れた状態からエアを入れる方がいいのかもしれません。こういう無駄なノウハウは本当に無駄なので、TLのシステムがもっと洗練された未来が早く来てほしいものです。

梅雨の合間に60kmほど走ってきました。タイヤはグラベルキングRの30Cです。グラベルキングをロードバイクに?って話ですが、このタイヤはめちゃいいです。重さも300gとアジリストの30C比で+20gなので十分軽いです。ひょっとしたらグラベルキングという名前で損してるのかもしれませんが、マジでロードバイクにおすすめできます。何ならタイヤが良すぎてホイールの評価が迷宮入りしています。

アジリストと同じ30Cで、エア圧(F3.5bar/R3.6bar)も同じ設定にしたのでそこまで大きな違いはないはずなのですが、バイクの印象が激変しました。簡単にいうと、今流行りのコンプライアンスに優れるというやつです。次回のYouTube動画は「ホイールを変えたけどハブがうるさくなっただけ」という切り口で行こうと思って乗り始めたら、予想に反して乗り心地がめちゃめちゃ良い。腰に優しい。路面追従性に優れるのでコーナリング、ブレーキングに安心感、余裕が生まれて久しぶりのライドがとても楽しくなりました。途中で有名なスプリントポイントがあり、そこで久しぶりに1,000Wを出してみるかと思ってモガいてみたのですが、惜しくも973Wでした。そんな感じで路面追従性が良いのでモガいてみたくなるホイールでもあります。

ここまで変わるのかと思ってネットで色々とこのホイールの評価を調べてみたのですが、Jベンドスポークモデルと、このストレートスポークモデルを直接比較して、ストレートスポークの方が乗り心地が良いと評価している所は見つけることができませんでした。なので、これは単純にタイヤが変わったせいなのか、ホイールのせいなのか分かりませんが、少なくともタイヤだけでここまで変わるとは思えないので、ホイール自体の乗り心地が向上していると思われます。ポガチャルがこのホイールでツールを3週間走ると考えると、非常に納得に行く進化でした。

ダイアテックさんから借りている時代も含めて、基本的にずっとENVEのホイールを使ってきたので他社のホイールのことはあまり知らなかったのですが、いまさらながらENVEってめちゃめちゃ尖っていると本当につい最近気付いたのです。きっかけは今季のWTでENVEではないホイールの爆発事件が相次ぎ、メーカーが28Cではなく29C表記のタイヤを使うよう声明を出したことです。ENVEの強さはほぼ同社が保有する特許の強さを意味します。有名なのはスポークホールを後からドリルで穴あけするのではなく、スポークホールごと成形する技術や、ワイドフックレスビードです。

リムにドリルを入れるのではなく、モールドでスポークホールを成形すると強度を保つがことができるので、その分リムを薄くして重量を軽くすることが可能です。これが内幅25mmのワイドリムでもそこそこ軽くなっている理由の1つでしょうか。ワイドフックレスビードというのは元々はMTBのリムでリム打ちしてもスネークバイトを起こさないのが狙いだったのですが、これが結果的にはフックが強くなってロードバイクでリム打ちしても瞬間的にリムが破損してそこからタイヤが爆発するのを防いでいます。

これらはENVEの特許であり、他社は真似できません。アメリカでリムを生産するのはこの知財を守る意味もあるでしょう。安全性を理由にフックレスを採用しないメーカーはありますが、これはENVEの特許を回避するのが難しいからいう側面もありそうです。

SES 4.5 ストレートスポークモデルは絶賛に値するモデルだと思いますが、敢えて苦言を言うならハブのラチェット音くらいでしょうか。凡庸な音を奏でた前作とは打って変わってやや下品な爆音で、Zippのような耳に心地よいものではありません。バルブステムもまだまだ改良すべき一丁目一番地かと思います。それと、最近はカーボンスポークを採用するブランドが増えており、ステンレススポークは少々古く見えてきました。次作はカーボンスポークを期待したいと思います。そうなると価格は70万円に到達しそうです。

ツールでデビューする新型エアロードも気になりますが、しばらくはこの新型SES 4.5で満足できそうです。

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