PANARACER NISEKO GRAVEL 2023 SPRING RIDE

PANARACER NISEKO GRAVEL 2023 SPRING RIDE


2023年 05月 23日

PANARACER NISEKO GRAVEL 2023 SPRING RIDEに参加してきました。

ニセコグラベルには伝説的なテストイベントの第ゼロ回があったそうですが、僕は第1回から参加しています。基本的に春と秋の年2回開催ですが、傾向として春は平地スタート/フィニッシュで距離は短め、秋は標高のあるスキー場スタートで距離、獲得標高ともにエグ目というフォーマットになっています。

なので春は下ってフィニッシュ、秋は登ってフィニッシュになるため、春の方がイベントしては参加者も少ないし、コンパクトな開催ではあるのですが、フィニッシュ後の爽快さは秋を上回るというのが個人的な印象でした。ライドイベントというのは途中でエグ目の登りがあっても、最後に気持ちよく下ってフィニッシュすれば、記憶が書き換えられ、「また次回参加しよう」となるので、ほとんどのライドイベントは下りフィニッシュにデザインされます。

とは言え、主催の都合で発着をスキー場にする理由も分かります。出展を含めた演出の自由度、駐車場や宿泊のキャパシティなどを考えると、そうなるのが自然です。かと言ってスキー場発着で下りフィニッシュというレイアウトにすると、MUDUROみたいにスキー場の激坂を延々と登ってから下るという、もっとエグいレウアウトになるので、登りフィニッシュは不可避なのです。

前置きが長くなりましたが、今年のスプリングライドは最高でした。公式の駐車場は倶知安区町役場が開放され、すぐ近所の倶知安町公民館がスタート/フィニッシュに設定されていたので、気持ちよくグラベルを下ってからのフィニッシュを実現していました。倶知安駅周辺はニセコのような高級ホテルばかりと言う訳でもなく、レストラン、スーパーなども豊富にあって利便性が高かったです。なにより、倶知安から無駄にニセコまでクルマで上がる必要がないため、アクセス至便です。札幌からレンタカー無しで輪行でも参加可能と思います。

Garmin UBグラベルが開催されるカンサス州エンポーリアは自ら「グラベルシティ」と名乗っており、UB期間中は街の目抜き通りが封鎖されて完全に自転車の町になります。倶知安町にはそのポテンシャルが日本一あると改めて感じました。

今回は天気だけが唯一の懸念点で、雨前提の装備を持参しました。自然発生的に「粉吹きジャージ」と呼ばれるようになった乗る練習の未発売キットは長袖かつサーマルの上下なので、上にレインジャケットだけ着用すれば大丈夫だと思い、追加にレッグウォーマーという感じで、走り出して思ったのはリアフェンダーとシューズカバーがあれば完璧だったと思います。

今回、僕の命を救ってくれたのがアークテリクスのノーバンSLフーディーというGORE-TEXシェイクドライのジャケットです。数年前にアウトレットで安かったので購入したのですが、雨の中をわざわざ走ることが普段はないので、ずっと死蔵していたものです。

GORE-TEXシェイクドライとはメンブレンと呼ばれる透湿性を司るGORE-TEXの薄いファブリックそのもので、保水性が一切なく、透湿性も落ちないのでGORE-TEX究極の形態といえるのですが、あまりに弱く、走行中に木の枝がヒットするとすぐに破れる程度の強度しか備えていないため、バックパックを背負うことすらも憚ります。しかしその代償として高い防水製と120gという重量、畳むと手のひらに収まるコンパクトさは圧倒的です。

特にフード付きなのが秀逸で、サイクリングキャップの上からフードを被ってその上にヘルメットを被ると頭を寒さから守ることができるのと同時に、首周りから雨水が侵入するのを完全にシャットアウトできるのが最高でした。頭の保温というのは非常に重要で、低温になると思考力が低下するので、結果的に事故に繋がりやすいです。現在このモデルは廃盤になっていますが、Raphaが同じようなモデルを作っています。乗る練習の粉吹きキットは9月頃に販売されると思いますが、フィット感を含めて性能は素晴らしいと思いました。

9時のスタートとほぼ同時に走り出したのですが、最初の5kmほどは地獄で、下半身が徐々にずぶ濡れになっていく感覚ほど不快なものはありません。しかし、20kmも走ると体温も上がり、ランニングハイのような状態に突入してヤケクソの楽しいライドが始まりました。最初のグラベル区間は例年のニセコグラベルに比べて斜度が穏やかで、路面が綺麗に整備されている上、植生が日本離れしたオレゴンのような風景が続き、完全に「グラベル・ハイ」のような精神状態であっという間に走破しました。

 CP2後に道を間違えて8kmほど余分に走りましたが、渡辺夫婦と合流して2つめのグラベルに入る頃には雨も止み、太陽さえ出てきたので、羊蹄山の麓を走る今回随一のグラベル区間ではジャケットを脱いで写真を取る余裕さえ出てきました。

 

最後は極上グラベルを下り、舗装路を少し走ってフィニッシュです。確かに最初は過酷な雨で辛かったのですが、最後は雨も止み、気持ちよくグラベルで締めくくったことにより、楽しかったニセコグラベルに記憶が改変されました。

今回は初めてGrizl CF SL 7 Throwbackで本格的にグラベルを走ったのですが、路面がスムースだったのでサスペンションフォークは必要なく、43Cのシュワルベ G-One BiteはグラベルキングでいうとSSとSKの中間にあるようなオフロードでのグリップ感で、舗装路は意外と走りが軽く、ほぼベストバランス。もしかしたら38Cあたりでも十分だったかもしれません。トップは2時間半ほどでフィニッシュしたそうですが、タイムを狙うならもっと細いタイヤが良さそうです。

サイクルモードで少量販売した乗る練習 Cult Supporters' Dry Tee - Throwback -乗る練習 Cult Team Bandanaの受注販売を5月24日から開始します。我々は赤字から学びました。ぜひご注文お待ちしております。

ぜひこれを着て秋のニセコグラベルに参加してください。

ブログに戻る

コメントを残す

コメントは公開前に承認される必要があることにご注意ください。